悪行

4/7
前へ
/26ページ
次へ
少女の瞳からはボロボロと涙があふれていた。 俺は衝動的に身体を動かし、少女を抱きしめた。 女の子は驚いたようだったが、抵抗はしなかった。 「どうしたの?」 「俺がこうしたかった。」 「それじゃ仕方ないね・・」 抱き合ったまま、座り何時間もそうしていた。 「そろそろ君は村に戻らなくてもいいの?」 少女の問いに俺はこう答えた。 「意味がない。」 「なら、私とずっとそばにいて。」 「あぁ・・・」 会話は短かった。 だが、そうしている意味はあった。 俺は久々に本当の意味で泣けた気がした
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加