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ドクン。と俺の中で何かが脈打つ気がした。
"また俺は何もできず失うのか?"
"失った後どうなる?""あの子は俺にかかわってしまったためにこんなことに?""守りたいじゃないのか?俺は・・・"
俺の中で、何かが振りきれる音がした。
俺は右腕だけバッと振り払うと、兄弟子一人の首を持ち、腰に掛け、てこの原理で首の骨を粉砕し、腰の短剣でもう一人の静脈を掻っ捌いた。
一人はダランと首の座ってない人形のように倒れ、もう一人は首を抑えながら叫び倒れた。
異変に気付いた親方様がこちらを見るが俺は先に短剣二つを狙い定めて投げた。
少女を捕えていた兄弟子二人の額に突き刺さり、兄弟子二人も倒れた。
残ったのは俺と親方様、それに少女の3人だった。
「ほぅ、あの状態から抜け出したのか」
「教えのたまものです。」
「そんなことまで教えた覚えはないがな。」
「私は、悪魔ですから」
「私はそうは思わんがな。」
親方様はそう言いながら俺に向き直った。
どうやら最優先を少女から俺にもう一度変更したらしい。
俺は剣を取り、構えた。
「もう一度わしと戦うか?」
「あぁ、奄美琴。越えさせてもらうぜ。」
「全力で来るがいい。」
さっき負けた原因は分かる。
天空流派奥義・天光雷撃
剣を一時的に長く持つことにより、相手にリーチを錯覚させる技。
だが対処法はある。
「もう一度やってわしに勝てる保証でもあるのか?」
俺はその問いに笑みを浮かべながらこう答えた。
「俺は悪魔ですから。」
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