名前

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俺は少女を抱きしめながら、口づけを交わした。 少女も拒むことなくそれを受け入れた。 唇を離すと、俺も少女も緊張したのか目をそらしてしまった。 「ねぇ」 「ん?」 「名前何なの?」 「名前・・」 俺はとっさに悪魔という言葉が浮かんだ。 親方様が呼んでいたハグマ。というのはすこし違うし・・・ 「名前はない。」 「よかった。」 「何故だ?」 「私が貴方の名付け親になる。」 「馬鹿にしてるのか?」 俺は率直な感情を述べたが彼女はあたかも怒ったような顔で、 「馬鹿になんかしてないよ! 名前は必要でしょ?」 まぁ確かに・・・ 反論できない俺をよそに、彼女は俺の名前を決めた。 「貴方の名前はカイだよ。」 カイ・・か 悪くない。 そう思いながら俺は少女の名前を問う だが帰ってきた答えは名前なんてない。だった。 よかった。と心底思った。 「俺が名付け親になってやるよ。」 少女はくすくすと笑うと俺が名前を言うのを待った。 「お前の名前は・・・・」
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