第一章

5/11
610人が本棚に入れています
本棚に追加
/980ページ
最近は夜、外に出るのは危ないと不良の連中も言いだしていて、 私も例にもれず家の中で退屈な時間を紛らわせようとインターネットをしていた。 気まぐれでニュースブログを見ていたら、先の記事があり、 興味を惹かれたので見てみるととんでもないものであった。 しかも、現場は私の住んでいる地域だった。 まさかこんな近くで起きていたなんて。 美歩大橋……歩いて十分とない。 だというのに私は何故事件を知らなかったのだろう? いや、普段からテレビや新聞なんて読まないし、不良どもも似たようなもので、 馬鹿なことしか頭の中に無いからだろう。 実際、不良どもが何故夜に遊ぶのを控え始めたのかすら、私は理由も知らなかった。 ξ゚⊿゚)ξ「よく晴れた夜、か」 窓を見る。 雲一つ無い、初夏の夜空が広がっていた。 梅雨は終わりを告げ、星達が瞬いている。 ξ゚⊿゚)ξ「よく晴れた夜、ね」 ドクンと心臓が高鳴った。 ……つまり、今夜なわけ? 私は先ほどインターネットブラウザを閉じたパソコンをスリープモードにすると、部屋着のまま玄関に向かった。 親はいないから出入りなんていつでもできる。 夜遊びをしても誰も咎める者はいない。 ζ(゚- ゚*ζ「……お姉ちゃん?」 ……この子を除いて。
/980ページ

最初のコメントを投稿しよう!