第一章

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巷を騒がす事件が起きている。 何でも猟奇殺人だとかいうもので、それも聞いた話によるととてつもない内容であった。 最初に見つかった死体は、二週間前のことだ。 美歩大橋の下で、それは静かに存在していた。 それ――死体――はバラバラであった。 腕はちぎれ、足は根本さら取られていたという。 しかし不可解な物も死体と共に残していった。 その死体の各部パーツに、歯型が残されていたのだ。 内臓系統も無くなった部分があり、断裂部にもやはり噛まれた形跡があったという。 つまり、犯人は死体を食ったのだ。 マナーを守っているつもりなのか、残された死体は綺麗に整頓されているらしく、 現場には毎度「ごちそうさまでした」という血の書き残しがあるという。 そして事件はこの二週間の間に、初日も含め計八回起きていた。 どれも内容は似ていた。 犯人は特に襲う人間を選ばないようで、老若男女問わず、死体は増えていった。 しかし必ず犯人は決まった条件で行動を起こす。 よく晴れた夜 犯人は犯行をしでかしている。 しかし近年、国内ではこのような事件は珍しくはない。 今やこの国では殺人事件の発生率は年々と増加している傾向にある。 記憶に新しいものを上げれば先月、S県で起きた死体のいずれかの指を必ず持ち去る指切り事件や、 S県と同月に起きたM県の頭部爆破事件等、様々な…… ξ゚⊿゚)ξ「って、何でこんなもんを……」 そこまで記事を読んで、私はブラウザを閉じた。
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