六・其の二

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(;゚ω゚)「……確かに、いい物作ってほしいとは言ったけど……」 もう包丁の範疇を超えているよ、これでは。 なんて言いたいが、手に持った感覚が包丁である。 日本刀やナイフを持った時とは違う、この心地の好い感じ。 (=゚ω゚)ノ━・「鶴子を殺った相手がまたでたんだろう?」 伊予さんは紫煙を吐きながらそう言う。 (=゚ω゚)ノ━・「俺の包丁が通じなかった相手だ。しかも使い手が鶴子であったにも関わらず」 見る見るうちにその眼が怒りで赤みを帯びていく。 僕は生唾を飲み込んだ。 完全に伊予さんに気圧されていた。 それほどに、今この老人からは禍々しい空気が漂っているのだ。 (=゚ω゚)ノ━・「ならば今までよりも斬れ、硬く、柔らかく、しなやかで、そして砕き、叩ける包丁を作るまでよ」 平助、と伊予さんは僕の名を呼んだ。 (=゚ω゚)ノ━・「ぶっ殺せ。鶴子の仇をとれるのはお前だけだ」
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