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あの日から私は奴を観察することにした。
( ω )
奴のあの妙な笑顔が頭をよぎる。
恐ろしいと素直に感じた。
今まで数多くの不良や馬鹿な奴らを見てきたが、あそこまで不気味で殺気立ったものを私は見たことがなかった。
そして私は観察しているうちに知ったことが幾つかある。
ξ゚⊿゚)ξ(その一。奴に同性の友達はいない)
休み時間。
クラスの、或いは他クラスの不良が私のもとへ集ってくる。
何故か私は奴らのグループの中心核になっていたようで、私が席を動く時は
トイレに行くか、自販機に飲み物を買いに行くか、昼飯を食べに行くくらいだった。
私がそんな群にいる中、奴に気取られないように見ていた限り、奴の周りには誰も寄り付かなかった。
奴は本を読むか、寝たフリをするかの二択だった。
所謂空気な存在だったのだ、内藤という奴は。
目立ちもせず、視界に入っても気にされることすらない奴だ。
だがそんな奴だというのに、たった一人だけ接点を持つ者がいた。
ξ゚⊿゚)ξ(その二。奴は直とだけ会話をする)
いや、言い方を変えよう。
奴は決してたった一人のみと会話をするという訳ではないのだ。
話しかければそれに答える。
現に先ほど後ろの席の生徒に話しかけられて何かのやり取りをしていた。
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