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内藤が自分から話しかけることはない。
誰かが話しかけるまで誰ともコミュニケーションを取らないのだ。
これでは友達など作れるわけもない。
だというのに、そんな奴だというのに。
自分から話しかけたのが一度ならず数度、確認できた。
それは決まって教室の外でだ。
奴が教室を出る時は決まって三限目の後だった。
私は取り巻きを自然に誘導させながら奴を追跡した。
そして目撃した。
( ^ω^)「空ー」
川 ゚ -゚)「やあ内藤」
階段の踊り場で、奴が自分から彼女に話しかけたのだ。
まるで友達のように。
そう、よく知った仲であるように、それに彼女も似た調子で答えていた。
ξ゚⊿゚)ξ(あれは……)
彼女の名前は直空。
読みはスナオクウ。
姓と名が一文字ずつというのも珍しく、
それに伴って彼女は美人で学校のマドンナ的存在だった。
とにかく目立ち、人気者である彼女と、冴えない空気者が仲良く喋っている光景は、釈然としなかった。
ξ゚⊿゚)ξ(ストーカー……)
……三つ目に分かったこと。
私は何故かあの内藤の事が気になりだしていた。
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