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――俺はイラナイ子供なんだよ。
自嘲気味な彼の声。
俯いて震えるその肩。
掛ける言葉は何一つとして浮かばず、僕はひたすら言葉を失っていた。
ただ、それは彼の姿が痛ましかったからではなく、ひどく驚いたからだ。
いっつも自信満々で、不遜で傍若無人、それから人に弱みを見せることを嫌っているだろう彼が、僕なんかにそんな姿を見せたからだ。
僕より大きくて、小さく震える彼。
そんな彼の姿を見て、僕が自分の中に抱いていた常識がまた一つ崩れた。
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