1.Pity is akin to love.

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 レンガで作られた古い建物の一室、テーブルの前には老齢の女性と、その横には長い赤毛の髪、瞳は透き通った青の両脚の無い女性がゴーレムに乗って話し合っていた。  女性の年齢は20歳くらいだろうか。可愛いと言うよりは、美人と呼ばれるような顔立ちをしている。残念なことに、胸だけはまるで壁のようになっている。 「それが今から、7年くらい前のことよ。それからわたしは召喚術のことをめいっぱい勉強して去年、召喚士の国家資格を取ったの!今年からはアーレイカムの大学で研究者になるわ」 「戦争の時は、どうなるかと思ったけれど……アン、無事に大きく育ってくれたのね」 「ええ!それとね、お母さん。わたし、22歳の誕生日――次の11月7日で、アニー・アルハザードになるのよ!」 「まあ……!」  お母さんと呼ばれた老婆が、嬉しそうに微笑んだ。つられて赤毛の女性、アンも自然と笑顔になる。 「わたしの今の夢はね、子供を産むことなの。お母さんにも、彼にもこんなにも愛を貰えて……わたしは、とても幸せよ。この幸せを、子供に分け与えてあげたいのーー」
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