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「あたしの名前はアリス・ハーティア。ヒストリア教会の魔術師よ」
「わたしはアニーです、アンって呼んでください。ヒストリアって、セルリアの元首都の?……魔術師?」
「魔術師と言えば聞こえはいいが、まあつまり魔女だ。ヒストリアは教会にとって聖地、要するに教会で一番エラい所のお抱えの魔女ってコトだ」
「えっ!?」
「まあ、そうね。あたしはあんまり好きじゃないんだけれど、時の魔女って呼ばれ方が一番多いかな」
「ええっ!?」
「で、アリスは俺が生まれた時に名前を占ってくれたんだよ。名付け親なんだ」
「えええっ!?」
意外な情報に立て続けに驚いて、アンが頭を抱えた。その様子を見て、イズナとアリスが苦笑する。
「じゃあ、アン。アリスに色々気になることを聞いてごらん」
「えっ……えっと……じゃあっ!どうやったら胸が大きくなりますか!」
「いやそういうのじゃなくって……」
「好きな人に沢山刺激を貰うと大きくなるよ。あとは牛乳かな」
「いやだからそういうのじゃなくって……アン、期待の目で俺を見るな」
はあ、とイズナがため息をつく。
「とりあえず、椅子に座ってもいいか?俺の口から詳しく説明するって言っても、まだアリスから本題を聞いてないんだ。断じて浮気じゃない」
「うん、証拠に紅茶。まだ熱いでしょ?あたしまだ来たばっかりなのよ」
確かに紅茶から、まだ湯気が立っている。イズナはいつも客が来るときに、まず最初に紅茶を出している。国産のとっても美味しい紅茶。確かにアンの手術の翌日にも、その紅茶に牛乳を入れて飲ませてもらっていた。
「……最初から疑ってなんかないわよ」
「……えっ?」
アンの意外な言葉に、イズナが驚いて目をぱちくりさせる。
「いやねえ、イズナったら鈍感なんだから」
「アリスさんもそう思いますか?」
「……えっ?はっ?」
(……じゃあ何で……正座させられたんだ……?)
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