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「傭兵のお前の目から見ても、やはりこの事態は異常か?」
「異常……ってェよりは、何っつーんだろうな。ヤベェ臭いがするのは確かだ。教会の言う事なんざ信じちゃいねェけどよ」
「……魔法、か。そもそも破壊屋は召喚術の理論もわからんのだろう?」
「意味わかんねェな、ありゃ」
「せっかくの機会だ、謝礼代わりに教えてやろう」
イズナがテーブルの上に手を翳すと、手の形に影が出来た。その陰を指でさし、説明を始める。
「光が闇になる時、その狭間では光が闇へと変質していく現象が起きている。光が壊れる、と言った方が破壊屋には解りやすいだろうが」
「光が壊れる、ねェ……」
「ああ。その壊れた光が闇になる間、この光は恐ろしい力を秘めたモノになる。Cフォトンと呼ばれるモノだ」
「Cフォトン?何じゃそりゃ?」
「まぁそういうモノなんだ。これの特徴は、エネルギーを取り除けば取り除く程力が増していく」
「……?」
「そうだな……わかりやすい例をあげるなら、蒸気機関車があるだろう。あれに石炭を取り除いた分だけ加速する、みたいなものだ」
「……はぁ?」
「そのCフォトンは音に反応しやすい、という性質を持っている。それと同時に世界を7周半できる力も持っている。これが召喚術における門と呼ばれるものの形成と、それを維持する力になるんだ」
「……えーっと」
「召喚を行うには、召喚先の座標を決めることと、召喚されるモンスターとの契約が重要なんだ。ちなみに召喚士協定で、人間との契約は禁止されている。この座標を間違えたり、契約が無ければ召喚術の失敗が発生する」
「あのー……」
「召喚術に失敗すれば、爆発が起きる。召喚術の規模が大きければ大きいほど爆発の規模は大きい。失敗の例で有名なのはセントリックの大クレーターだな」
「…………」
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