1.Pity is akin to love.

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「年齢は?」 「13歳。11月7日で14歳になるの」 「なら14歳だ。今日は11月24日だ。……いや、零時を過ぎたから25日か」  アンの脳裏に、自分を辱めた男たちの姿がちらつく。 「そう……」 「……出身は、セルリアか?」 「うん。だと思う」 「孤児か」 「……うん。ミルウッドは孤児院の名前なの」 「話してくれて、ありがとう。これはカルテに纏めておく。……辛い話をさせてしまったな。大丈夫か?」 「だいじょうぶ。ただ、ちょっと喉が渇いて……」  アンがベッドから立ち上がろうとして、脚が、空を泳いだ。上半身がよろめいて床に打ち付けられる。カルテを書いていた医者――イズナが勢いよく立ち上がって椅子が倒れた。アンの元へ駆け寄り、上半身を支える。 「アン!落ち着け。どこを打った?」 「あ……あ……」  立ち上がろうと、足を地面につけようと動かす。だが、うまくいかない。おかしい。  足が石化したみたいに、うまく動かせない。  下半身を見る。  脚が、なかった。 「ああ……あああ……っ!ああああああああああああああああぁぁぁああああぁあああああああああああああああああああああ!」 「アン!落ち着け!」 「あしが!あしが……っ!」 「切らなければお前が死んでいた!」 「……!」
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