記憶

1.私が生まれた日

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京都に来たのは3年前のことだった。

それまで鳥取の田舎で、父方の祖母と二人で暮らしていた。
母親は私が3歳の時病気で亡くなり、父は10歳の時交通事故で亡くなったらしい。

あくまで“らしい”としか私の口からは言えない。

なぜなら私の記憶には、母の顔も父の顔も残っていないからだ。