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「現役の女にしがみついて、自分の衰える女を認められない。
なんて、無様な人なんだろ…可哀想に。」
私の何気無い問いかけに答える代わりに、煙草に火を点けた彼女。
煙を吐き出すと同時に呟くと、小さく笑い始めた。
「受けてたっている私も、同類か…」
肩を震わせて笑い続けていたが。
ふと、視線を窓の外に向け
どんよりと重みを増した雲を見つめて
「どうせなら降ってしまえばスッキリするのに…」
ほんの少しの苛立ちを滲ませながら呟く横顔が
彼女らしくなくて、ドキリッとした。
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