18話.運命

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「それにしても、マジでウケるな。あいつ」 暫く歩いていると、俊君は急に吹き出し、小さく肩を振るわせる。 「あの、あまりゆう君を揶揄わないでね?」 何だかんだ距離が縮まったのは良いことだと思うけど、完全におもちゃ扱いをしている状態に、私は改めて念を押した。 「別にからかってねーよ。ただ、俺の特権見せつけただけだ」 すると、俊君は満足そうな表情を浮かべると、にかっと白い八重歯を見せて笑った。 “特権”という言葉に過剰反応してしまった私は、恥ずかしさのあまり視線を足元に落とす。 だけど、相変わらずの真っ直ぐな気持ちは純粋に嬉しくて、私は俊君の服の袖をそっと摘んだ。 先程のやり取りもそうだったけど、私の事を真剣に考えてくれている俊君。 こんなにも人から想われているのが、ちょっと恥ずかしくもあるけど、それがとても有り難くて、そんな彼をこれからも大切にしたい。 「俊君。私の事、大事にしてくれて本当にありがとう」 だから、凄く照れ臭いけど、この気持ちはしっかり伝えておこうと。 はにかんだ笑顔を浮かべながら、心からお礼の言葉を述べた途端、俊君の表情がぴきりと固まってしまった。
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