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それから、暫く見惚れていると、不意にゆう君と視線がかち合い、何故か凝視されてしまう。
「ど、どうしたの?」
まさか、覗き見していた事がバレてしまったのか。
私は冷や汗を流しながら、とりあえず笑って誤魔化してみる。
「いや。最初に思ったけど今日のお前、滅茶苦茶可愛いな」
すると、何食わぬ顔でさらりとベタ褒めしてきたことに、不意をつかれた私は一瞬呆気に取られてしまった。
それから戸惑いと、恥ずかさと、嬉しさが一気に押し寄せてきて、様々な感情が頭の中を駆け巡り、軽いパニック状態に陥る。
「……あ、ありがとう。ゆう君も私服姿凄く素敵だよ」
兎に角、褒められたことにはしっかりお礼をしようと。
私も正直な感想を交えて、はにかみながら応えた。
……なんだろう。
なんか、本当にデートって感じがする。
ふと心をくすぐる、こそばゆい感情。
これが恋人同士というものだろうか。
改めて実感する両想いであることの喜び。
青春を謳歌していること。
それは想像を遥かに超えた快感と幸福感が脳を支配し、出来ることなら、このひと時を永遠に閉じ込めてしまいたい。
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