18話.運命

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「その海斗ってやつモデルだったんだな。どうりでオーラが並外れていると思ったわ」 そして、ようやく口を開くと、納得したように、ゆう君は顎に手をあてて頷く。 「私がこうして変わることが出来たのも海斗さんのお陰なの。だから、すごく感謝してるんだ」 溢れるこの気持ちは、とても一言じゃ言い表せない。 だから、海斗さんがフランスに行くまでの間、これからも沢山感謝していこうと。 私は改めてそう感じながら、胸に手を当てた。 「確かに。俺もあれがきっかけで、本気で加代と向き合おうと思ったし」 すると、ぽつりと呟いたゆう君の思わぬ発言に、私は勢いよく顔を上げる。 「あの時はかなり衝撃を受けたよ。お前があまりにも綺麗だったから。それ以降、ずっと加代のことが頭から離れなかったんだ」 それから、気恥ずかしそうに胸の内を明かしてくれて、私は暫く開いた口が塞がらなかった。 まさか、ゆう君にそこまで思われていたなんて。 後からじわりじわりと込み上がってくる、感動とむず痒さに少しでも油断すると顔がにやけてしまう。 「……で、その撮影の時の写真持ってるんだろ。今度見せろよ」 暫く余韻に浸っていると、急にぶっこんだ要望を投げつけられ、私の意識は一気に現実へと引き戻された。 「それはダメ!恥ずかしいから絶対に嫌っ!」 いくら仕事とはいえ、海斗さんとの絡みをゆう君に見せるわけもいかず、必要以上に拒否してしまった私。 「何でだよ。別にいいだろ」 それが余計気に触れたのか。 ゆう君は眉間に皺を寄せながら尚も迫ってくる。 「それよりも、ゆう君はあの時何であそこにいたの?」 逃げ場を失いそうになる手前。 ふと浮かんだ疑問に、私は思いっきり話を逸らした。
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