18話.運命

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けど、それはそういう現状だから作らないのであって、恵梨香自身をどう思っているのかが知りたい。 「それで、海斗さん自身は恵梨香のことどう思っていたの?」 これ以上こんなことを聞くのは酷なのかもしれない。 けど、ここで変な遠慮をするのはやめようと。 私はスマホを握り直し、震える声で尋ねる。 それから、再び押し黙ってしまった恵梨香。 そして、暫くすると、受話器越しから小さな溜息が聞こえた。 「海斗さんは、あたしを恋愛対象としては見れないみたい。妹さんと同じ年齢だし、高校生のあたしは、まだ子どもなのかな……」 憂気な声で教えてくれた恵梨香の話に胸が締め付けられる。 「恵梨香……」 こういう時は何て声をかければいいのだろう。 失恋した親友に捧げる上手い言葉が思い浮かばず、私はただ名前を呼んだ。 「でもね、可能性はゼロじゃないと思うの!」 「へ?」 すると、突然明るい口調へと切り替わり、意表をつかれた私は、思わず腑抜けた声をあげてしまう。 「海斗さんがフランスへ行っている間、あたし今よりもっと女子力上げて、大人になる!そしたら、また挑戦するって宣言したんだ!」 なんと。 フォローせずとも、既にそこまでの答えを自分で導き出していたとは。 しかも、その気持ちを早々に伝える恵梨香のプラス思考には、相変わらず恐れ入る。 「うん、そうだね。勝負はまだまだこれからだよ!」 なんて言ったて、これだけ逞しく、美しく、そして、とびっきり優しい私の自慢の親友だから。 そんな恵梨香なら、海斗さんだってきっと振り向いてくれるはず。 そんな明るい未来を信じて、私も恵梨香に負けじと気合を入れてエールを送ったのだった。
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