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佐助は、春の言葉を鼻で笑う。
「武器をしまうなんて、むちゃ言わないでくれる? 質問に答える気がないなら、死んでくれてもかまわないよ?」
「ちょっと、待った! 武田信玄公に直接、会って話がしたい!」
里美はストップをかけると、レプリカを地面に置き佐助の前で正座をすると勢いよく頭を下げた。
それを見た春も、木刀を置き正座して頭を下げる。
「ちょっと、いきなりなんなのさ? 大将に会って、どうするき?」
「武田信玄公の質問にのみ答える! 私達を縛り上げ、信玄公の御前に連れて行け!」
里美は、頭を下げたまま堂々とした雰囲気で言う。
佐助は少し考えると分身を出し、縄を使って二人を縛り上げる。
「聞きたい事が山ほどあるから生かしとくけど、妙な真似したら命はないよ」
二人は、黙って頷く。
佐助は、木刀とレプリカを腰に差すとキャリーバックと里美を担ぐ。
分身は、キャリーバックと春を担いだ。
他に何もない事を確認すると、その場から姿を消した。
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