若き虎

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「分かりました! では、後日にお部屋までお迎えにあがります」 「はい、分かりました」 「ウチは、納得してないのに……」 里美は、小さく呟やいた。 しばらくして、里美以外の三人も食事を終える。 すると、里美が立ち上がった。 「んじゃ、マカロン取りに行こう」 「うん。 マカロンをお持ちしますので、しばらくお待ち下さい」 春も立ち上がると、二人に会釈して退室する。 部屋を出ると、来た道筋を戻り自分達の部屋に入るとマカロンを持って信玄達が待つ部屋に向かう。 部屋に入ると、用事を済ませて来たのだろう佐助の姿が見えた。 「あっ、ちょうど良かった。 佐助さんも、マカロン食べましょう」 春が笑顔で言うと、佐助は苦笑いした。 「旦那に聞いたよ。 悪いけど、毒味させてもらうよ」 佐助の毒味と言う発言を、幸村は眉間にシワを寄せた。 「佐助、お二人に失礼であろう!」 「いえいえ、是非とも毒味して下さい」 佐助を咎める幸村に、春は苦笑いしながら言うと佐助にマカロンの入ったタッパを開けて差し出す。 佐助は、適当にマカロンを一つ取り出すと匂いを嗅ぐと食べる。 「うん、毒は入ってないね。 旦那達、食べても問題ないよ」 「う、うむ」 佐助の許しが出たのだが、幸村は春と里美に申し訳ないのか複雑な顔をしていた。 里美は、春からマカロンを取ると幸村の前に座る。 「美味しいから、食べて下さい」 「忝ない」 幸村がマカロンを一つ持つと、信玄の前に行く。 信玄も、マカロンを一つ持つと口に運ぶ。 それを見た幸村も、マカロンを食べる。 春は、ワクワクしながら二人に尋ねた。 「マカロン、どうですか?」 「うむ、これは素晴らしき菓子じゃ! のう、幸村!」 「はい! とても美味しゅうございます!」 幸村と信玄は、初めて食べたマカロンに興奮している。 春は、二人の様子を見てニコニコしていた。 「笹木の旦那、ずいぶん嬉しそうだね」 「そりゃ、あんなに喜んでもらえるんだから嬉しくなりますよ」 「ちょっと、佐助さん。 湯浴みについて、教えてくれるんでしたよね?」 佐助と春が話している所に、里美が入ってくるなり佐助に声をかけた。 佐助は、里美の言葉に思い出した様に言う。
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