湯具の説明

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春と里美は、佐助につれられて脱衣所に来ると説明を受けていた。 佐助は、脱衣所の隅に置かれている二つのツボを指差す。 「いい? 奥にあるのが、灰で手前が米ぬかね」 「米ぬかと灰は、何に使うんですか?」 春は、不思議そうに尋ねる。 「なにって、米ぬかは体を洗うために使うんだよ。 んで、灰は頭を洗う」 説明を聞いた二人は、顔を見合わせた。 佐助は、気にせず説明を続ける。 「米ぬか使う時は、糠袋に入れて使ってね。 それから、湯褌は付けて入浴してよ」 「ふんどし? マジか、ありえない」 「褌着けて、お風呂入るの?」 佐助は、深くため息をつきながら二人に質問する。 「もしかするけど、褌の締め方って知らないよね?」 「褌締めるのって、お相撲さんしか知らないと思います」 里美は、真顔をで答えると佐助は「やっぱり」と呟いた。 「あっ、質問です! 体を洗う時、湯褌は外していいんですか?」 春が湯褌に対する疑問を、佐助につぶける。 「うん、いいよ。 あぁ、二人に湯具一式そろえないとな」 佐助は、二人を見た。 二人は、申し訳なさそうに苦笑いしている。 二人は、佐助に他の湯具についての説明を受けてから部屋に戻り就寝した。
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