始まり

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歩いてる最中に、里美が尋ねる。 「カメラ持って来たけど、録画する?」 「録画しなでやってみよう」 「了解」 とうとうエレベーター前に来ると、二人は顔を見合わせた。 エレベーターは、手動ドアの珍しい物でライトはついているが薄暗い。 「マジかよ。 古すぎ」 「大丈夫かな?」 「さぁ? とにかく始めよう」 二人は、不安になりながらもエレベーターに入る。 エレベーターの中は、少し狭く二人で入るのがやっとだ。 春が、指定された方法の通りにボタンを押す。 二人を乗せたエレベーターは、上がっては開き下がっては開きを繰り返した。 「あと二回。 これで成功するか決まるね」 「腐女子になって随分経ったんだから、いい加減にトリップさせて貰いたいわ」 「同感」 春がボタンを押すと、エレベーターが上に上がる。 二人は、目をつぶり祈った。 チンと、鐘の音が開き目的の階についた事を告げる。 二人がゆっくり目を開くと、落胆した。 「待ち人、来ずかぁ~」 「誰だ、神は居るだなんて言ったのは?」 「帰るか」 二人は、ため息をつきながら一階のボタンを押す。 ガタンと音を響かせ、エレベーターが下降する。 その時、ただでさえ薄暗い電気が突然停電した。 「えっ? 何、突然に?」 「停電するとか、ありえねぇー」 二人が文句を言っていると、エレベーターが激しく揺れた。 二人は、とっさにしゃがみ込む。 「ちょ、ちょっとヤバくない?!」 「ヤバいかも! 今、何階?」 「わかんない!」 ブツリと何かが切れる音が響くと、エレベーターが急下降する。 二人は、恐怖で目をつぶるとそこで意識は途絶えた。
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