2 修行

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何日も起き上がれないまま、満月は欠け、やがてまた満ちて、欠けた。 再び満月の夜、私はゆっくりと立ち上がった。そして、今度は一番高い山を目指して歩き始めた。 円くとも細くとも月は月だ。同じように空を駆ける。翼は必要ない。 山の頂上に着いた私はさらに上を目指した。足は宙を踏みしめた。まるでそこに大地があるかのように、私の体は浮かんでいた。
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