誰にも…

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私には、大好きな人がいる。 名前は知秋にしておこう。 私とその人は、付き合っている。 でも最近彼が冷たい… 私になにか、隠しているのだろうか? いや…そんなはずはない、だって私たちは愛し合っているのだから でも…もし「浮気」とかして、私から気持ちが離れているのなら、今度こそこの家に閉じ込めてあげなくちゃね…? あぁ、あの人と…知秋と二人だけで… 誰にもあの人をみせたくない、誰にもあの人の声を聞かれたくない… 私だけの…私だけの知秋! 早く帰って来ないかな~ 「ただいま」 彼がやっと帰ってきた。 「お帰り!」口には出さないが、知秋は絶対機嫌がいいと思っただろう。 「お腹すいたでしょう?夕ごはん食べよう?」 彼は黙ったまま、上着を脱ぎ席についた。 私が話しかけても、うなずきはするがやっぱり、返事は返ってこない。 「ねぇ、お風呂入った後でいいから、三階に来てくれる?」 「わかった」彼はそう言って、自分の部屋に入っていった。 彼は知らないだろうが、三階は、広い一つの部屋になっている。 ベッド、窓、クーラー、暖房器具など、最低限生活に必要なものしかない、部屋なのだ。
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