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他人がいたら、人違いだったらどうしようか、なんて考えていなかった。
俺の予想を裏切ることなく、あの人はいた。
「……母さん」
一年振りに見た母さんは皺が増え、虚ろな目をし、生気が感じられない。
手がふるふると震えている。
「K……?K、なの…?」
虚ろな目だった母さんの表情筋が動いた。
「K!!ごめんなさい、ごめんなさい、K!!」
母さんが泣き叫ぶ。
違うよ
母さん。
母さんが謝る必要なんてどこにもないんだ。
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