母さん。

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謎の叔父さん視点。 あの子は悲しそうな、寂しそうな顔で 「俺、用事あるし」 と言った。 あの子の友人達はその言葉に隠れた彼の気持ちに気付いているのだろうか。 借金を背負わされ、高校に通わずに働き、そんな彼を蔑む人々。 ーあの子、高校に通ってないんでしょ。  借金のせいで両親が離婚したんですって。  また喧嘩で警察沙汰になったんですって。  母親と一緒に暮らしていた筈なのに、最近母親の姿が見えないわよね。    あの子、捨てられたんじゃないの。  いや、何かの事件に巻き込まれたのかも。息子があんなんじゃねえ……?  ひょっとしたらKくんが…… 周囲の大人たちの声。 彼の耳にも入っていることだろう。 彼は普通の生活がしたかっただけだ。 ただ両親と共に暮らして、高校に進学して友人を作って。 当たり前の生活を送りたかっただけだ。 彼が警察に補導されるのを見た?? 違うだろ。 友人に付き添っていったんだろう。 もっとよく彼を見て。 彼は友人を止めようとしている。 彼はお人好しなんだ。 お人好しで、辛いことは一人で全部背負い込む。 自分なんてって思っている。 自分で自分自身を傷つけている。 誰も気付かないのかい?
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