母さん。

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おれは友人達が乗ったワゴン車を見送った後、歩き出した。 普段もああやって俺だけ除け者にされることが多いため、俺はいつも 「用事済ませてから帰るし」 と言う。 だが今日だけは本当に用事があった。 俺は歩き続ける。 しばらく歩くと一般の街の外れに異空間が現れた。 周りは普通の街並みなのにそこだけ、その一帯だけ廃れている。 ああ、こういうのを廃墟と呼ぶのだろうか。 建物が歪んでいる。 傾いている。 崩れかけている。 そんな建物が幾つも立ち並んでいた。
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