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「済まなかった」
「シュバリエさん、謝らないで」
謝ってばかりなのが悲しくなって強くお願いすると、にっこり笑って問う。
「ところでお前、名前は?」
「クーリッシュ=フロスティー=レインブルです」
「クーリッシュか、良い名前だ」
素直な返事が嬉しいのか、僕の頭を撫でながら頷くので、嬉しくなって小さな声で続けた。
「……家族や友達の間では、リッシュって呼ばれてました」
「ん? そうか、リッシュか。……よし、じゃあリッシュ」
すぐにそれを受け入れてくれた後、笑みを消してしまう。
「恐い思いも沢山しただろう? 本当に、済まなかった」
ーーそうだ、確かにあの時、僕はとても恐かった。でも、シュバリエさんが助けてくれた。改めてそう実感した途端、せきをきって涙が溢れる。
そして一度流れ出したら、もう止められなかった。
僕を見て、シュバリエさんが優しく抱き締めてくれた。温もりに包まれて、僕はただひたすら泣いていた――。
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