第一章・―情報屋さんのお仕事は―

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 街中に響くのは、子供達の歓声。  大きな噴水がある広場の前で、薄い金髪に青い瞳の、上は空色のTシャツ、下はベージュの半ズボンといった、およそ年頃の青年が着用するものではない服装でいるクーリッシュ=フロスティー=レインブルは、そんな格好で子供達の輪に交じって戯れていた。  広場からは、先刻から。 「きゃあ」  やら、 「オニがきたぁ」  などの声援が上がっている。  子供達を追い駆けて遊ぶ遊戯をしているらしいが、クーリッシュは一向に追いついていないようだった。  走りながら息が上がっている彼に、子供の一人が楽しそうに声をかける。 「リッシュお兄ちゃんおそーい」 「……うぅ、全然追いつけないっす」  立ち止まり、肩で息をしながらクーリッシュが嘆くと、周囲に子供がたくさん集まってきた。
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