第一章・―情報屋さんのお仕事は―

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 相手が誰でも良い訳でもないのに、突然食事が出来なくなれば、吸血鬼も人間と同じように飢餓状態に陥る。  そんな契約鬼の先にあるのは、血を求めての暴走。  つまり、無差別に人間を襲い、虐殺を行なうようになってしまうのだ。  そして養分の取れない血ばかりを飲み干し、そのせいで飢餓感が更に増すようになる、究極の悪循環にはまってしまう。  それ故に、彼らは自らの命をかけてまで、契約した者を全力で護る。そしてその傾向が顕著に顕れ、いつしか同族からでさえ“騎士”と言わしめるようになっていった。  それが“蒼の騎士”と呼ばれる四大霊鬼“蒼”である、シュバリエ=ドゥ=ブルーが率いる“蒼”の一族の主な特徴なのである。  そんな中でも、二人は恋仲とまではいかないが、お互いに思った事は素直に話せるくらいの良い関係ではあった。
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