第一章・―情報屋さんのお仕事は―

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 だからそこを子供達にからかわれるのは、ブルーローズにとっては恥ずかしい事のようで、こうやってはやし立てられると、必ずといって良い程攻撃をかまそうとする。  毎回それを止めるのは、クーリッシュの役目である。  ブルーローズは半ば残念そうな顔になるが、それでもクーリッシュの言う事を従順に聞くと静かに頷いて、それからゆっくりと口をひらいた。 「クーリッシュ様、お仕事のお時間です」 「あ、もうそんな時間っすか。……残念っすね」  ブルーローズの言葉を聞いて、大きなブーイングの言葉が次々に上がっていくが、それを慌てた様子で止めたのはクーリッシュであった。 「また皆で遊ぶっすよ」 「やくそくだよ。きっとね」  これ以上引き留めておくのは無理だと知っているのか、それでも残念そうな表情を隠さない供の一人が、小さな手を差し出し人差し指を立てる。
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