紅き進撃

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以前に墜落した人間が何かを残したのだろうか。 だが、見渡した限りではロアのユーフー以外に機の残骸は無かったはずである。 雨も降らず風も吹かないこの死の谷で墜落した機体は、腐食したり埋まったりする事はなく、そのままの形で残るのだ。 また小さく光る。 赤い光は移動しているのか、先程光った場所とは違う場所だ。 ロアはスタスタと歩いて光の元へと向かった。 そこは行き止まりになっており、壁に小さなランプのような物は幾つも埋め込まれているようであった。 特に凹凸はなく、そこの壁は他とは違って土や砂でできているのではないようだ。 誰が何の為に作ったのかは分からないが、明らかに人工物である。 ロアは光った場所を覗き込もうとしたが暗くてよく見えず、手で触ってみると、小さなランプが一斉に光った。 「おわっ!」 驚いたロアが思わず声を出して手を離すと、ランプはすぐに消えた。 「……って、おい。何だ? これだけか? 小説とかだったら普通はもっと何かこう派手なのが来たりするんじゃ……って小説じゃねぇしな……」 ロアは左手で頭を掻きながら右手で壁を触ると、小さなランプは再び一斉に光る。
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