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訳の分からない返事に、今度はロアがすっとんきょうな声を上げる。
「はぁ? 俺がどうやって近づくんだよ。バカ言ってんじゃ……」
「外を見ていれば分かりますよ」
ロアの言葉を遮り、ラウが親指で外を指差した。
「分かるって何が……」
外を見てみると、異様な違和感がある。
ここは砂漠の中にある峡谷であり、普通ならばどこまでも峡谷が見え、その先には砂漠が続いているはずであった。
だが、どこまでも見えるはずの峡谷は、ある位置でスッパリと終わり、そこから先は空になっている。
まるで、そこで世界が終わってしまっているかのようだ。
「な……何だこりゃ?」
ロアがガラスにへばりついて様子を窺うが、何が起こっているのか全く見当もつかない。
「もう少し離れれば全体が見えますよ」
ラウのユーフーは艦隊に合流すべく、更に高度を上げ、その世界の縁から飛び出した。
「オイオイ、マジかよ……ド素人が書いた小説よりもヒデェじゃねぇか……」
それを見下ろしたロアが、ガラスに張り付いたまま目を丸くした。
紅い峡谷の一部が持ち上がっている。
いや、一部と言っても大都市にも近い面積であろう。
それを支えているのは、紅く巨大な四本の足のような物であった。![image=463886090.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/463886090.jpg?width=800&format=jpg)
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