亜麻色の青年

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バイデンラッハが最高高度に達する頃には、将軍の命令に素直に従った帝国軍は予想通り連邦軍の迎撃に苦戦を強いられていた。 ローラントは窓の外をぐるりと見回し、最高高度まで達した船を見て確認する。 「バリステアとグランビアは全て揃ったか!?」 バリステアとは帝国軍軽巡空艦であり、ローラントの隊の主要艦艇である。 攻撃力とスピードには問題ないが、少々防御力に難があり、一人乗りの迎撃機に撃ち落とされる事も珍しくはない。 たが、今は上から敵に攻撃を仕掛けるという状況にあり、この作戦には最も向いていると言えた。 グランビアは二人乗りの迎撃機であり、小回りはきくが、連邦軍のユーフーと同様に非常に故障の多い戦闘機である。 「バリステア、グランビアともに全て揃いました」 「よし」 ローラントは大きく息を吸い込むと一度奥歯を噛み締め、肺に溜まった空気を全て吐き出すように命令を下した。 「バリステア全機、全速降下しながら一気に敵を分断せよ! グランビアはバリステアの後に続き、開けられた穴を更に拡大せよ!」 ローラントの命令はすぐに伝達され、バリステアが次々に降下を始めた。image=468418038.jpg
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