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二人はそれぞれの愛機に乗り込むと、ゴーグルとベルトを装着した。
作業員達は部屋から退避し、正面、ガラスの向こうから迎撃機の出撃を見守る。
迎撃機はこの空母には九機積まれており、発着庫の中にかなりの間隔を開けて配置されていた。
ロアのユーフーは後方右側に配置され、左隣にはアサドの機が見える。
「そろそろか……」
ロアがそう呟いた時、発着庫内にブザー音が鳴り響いた。
出撃の合図である。
ゆっくりと床が傾き、後方から光が差し込む。
空母の尻の部分にある迎撃機発着庫は、床ごと開くように造られているのだ。
十分な角度を得ると、床の傾きが止まった。
背後には砂漠が見えている状態である。
天井に見える三つのランプの一番左が点灯した。
「いくか」
床に機体を固定しているロックを解除され、ユーフーは後ろ向きに床を滑って行く。
なんとも表現のし難い、後ろに引っ張られる感覚が徐々に強くなる。
床の切れ目まで滑って行くと、ユーフーは空へと投げ出された。
今度は落下とともに強烈な浮遊感が全身を襲う。
あっという間に母艦トゥラーヤの全貌が視界に現れた。![image=461718029.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/461718029.jpg?width=800&format=jpg)
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