日常

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時は桜の咲き乱れる春。 私、新井馨(アライカオル)は高校生になりました。 (遂に高校生だ…。) (しかもあの憧れの進学校、県立河津(カワヅ)高校!) (沢山勉強して、憧れのW大学に合格するんだ。) 私は意気込んで制服をきっちりと着た。 (――うーん…) (ちょっと…いや、かなりこの制服はないな) 私が通う学校の制服はネクタイにブレザーで紺一色という、いかにも漫画で考えるのがめんどくさい時に使ってしまうような、おしゃれの欠片もない制服だった。 しかもウエストが絞られてない。 (いくらなんでもこれじゃあなぁ…) (素敵な恋どころか、可愛くもないよ) 私だって恋くらいしたい 青春時代はもう二度と取り戻せない (だから今しか出来ないことを、って意気込んだのに…) たかが制服ごときのために、私はちょっぴり暗い気分で高校生活のスタートラインをきった
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