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ポッケ村の道は、雪かきされていたけれど、所々に雪が積もっていた。
そして、クラーテが呼吸をする度に吐いた息が、眼前を白く染めあげていた。
(はぁ、寒いけど、ホットドリンクを飲むほどじゃない。)
クラーテはそんな事を思いながら村長の居るという【ギルド支部】の方に向かっていた。
途中、何人かの村人とすれ違ったけれど、皆一様に【白くフワフワした服】を着ていた。
(きっとアレは、この村の防寒なんだろう。村長に挨拶した後にでも手に入れよう。)
こんな事もクラーテは考えていた。
ほどなくして、クラーテは、【ギルド支部】の近くで焚き火をしている小柄の老婆を見つけ、声をかえた。
『はじめまして。ユクモ村の【ギルド支部】から紹介されて来ました。【クラーテ・ベラト】です。あなたが、【ポッケ村】の村長様ですね?』
クラーテに声をかけられた、老婆は優しく微笑みを浮かべながら
『ヨィヨーイ。ワシが村長だよ。ヌシの事は【ギルド支部】の者から聞いておったから、すぐにわかったよ。【村付きのハンター】になってくれるんだってね。村を代表して礼を言わせておくれ、ありがとう。』
こんな風に村長は、クラーテに頭を下げた。
村長の姿を見たクラーテは、
『礼には、およびませんよ!頭をあげてください!』
と少し慌てながら答えるのだった。
少しして落ち着きを取り戻したクラーテはこう続けた。
『僕は、【危険というリスクを背負う代わりに、ドデカイ夢を見る自由が欲しかった】だけなんですよ。だから自分の為でもあるんです。』
クラーテは少し照れながら言うのだった。
その言葉を聞いた村長は
『田畑を耕す者、商いをする者、皆それぞれの仕事を必死でやっておる。これからヌシはモンスターを必死で狩ってくれるであろう。故に感謝の気持ちは変わらないのじゃよ。』
村長は優しく、クラーテに微笑んだ。
『さて今日は、なにかと疲れておるじゃろう。ヌシの家の準備は、してあるから、ゆっくり休んでおくれ。【ギルド支部】には明日にでも顔をだすとワシが伝えておくよ。家は、そこの坂をあがった直ぐ横だ。それでは明日から、よろしくお願いするね【我が村の狩人殿】』
クラーテは村長の言葉に嬉しくなり、笑顔で『はい!よろしくお願いします!』と応えた
【クラーテ・ベラート】は【ポッケ村の狩人】になった。
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