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腰掛けて、ニヤリと俺たち全員を見下ろす。久遠を肩にのせた途端、ゴーレムは立ち上がり始め、その肩で久遠は優雅に足を組んだ。
椅子のひじ掛けの様にゴーレムの頭を使う。
左ひじをゴーレムの頭上にのせて、久遠は頬杖をついた。
「ようやく、見晴らしがよくなったな」
そりゃ、おめでたいな。
……くそ、本当は背小さいくせに。
はるか頭上から見下ろす久遠を、俺たちはただ見上げることしか出来ない。
俺の感じる悔しさを、多分全員が感じていたはずだ。
理沙の肩も怒りに震えている。
ここまで圧倒的な力の差ってなんだ?
『実力……ただそれだけじゃノ。泣いても叫んでも、埋められないものもあるでノ』
……なら、それを埋めるのはなんなんだよ?
『経験、そして本人の努力かノ』
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