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俺たちの目の前に、迷宮の入り口が開いていた。
頑丈な支柱で支えられ、サイズは大人数人が余裕で通り抜けられるほど。入り口の左右には、竜を象った銅像が一体ずつ置いてあった。入り口を守るように、やや内側を向いて見るものを威圧している。
煌々と灯った松明の明かりが、幻想的に辺りを照らしている。
炎のゆらめきで、迷宮の入り口の影も揺らぐ。それはまるで、この迷宮自体が生きているようでもあった。
「永久魔法で、この松明の明かりは消えることがない」
一人だけ、場違いの学校の制服姿の誠治。
入り口の奥は暗くなっていて、ここからは中の様子は全くわからなかった。
「入り口の左右に立つドラゴンの銅像を見ろ。これがこの迷宮の主を象ったもの。僕らの学校の名前の由来でもある【青銅】の竜の銅像だ。彼を崇め奉ったものだ。僕ら、【竜狩り倶楽部】の最終目標。狩るべき獲物だよ」
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