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俺は改めて、竜の銅像を見つめた。
それは全くファンタジー世界の代物で、硬い鱗、誇りに満ちた気高い表情。鋭い爪、凶悪な牙。もし目の前に現れたら、俺たちよりも一回りも二回りも小さいこの銅像のサイズでも、手に負えるかどうか疑問が残る。
本物を想像すると、数倍、いや十数倍のサイズが予想される。……俺の乏しい、ゲームなんかで得た知識だとだが。
マジで、勝てる気がしねえけど、この倶楽部本当に大丈夫なのか?
「うわぁ、本当に強そうね! アタシ、何だか燃えてきたわ!」
あ、そうすか……。
無邪気に嬉しがる理沙。
危険とかは、考えないタイプなのか?
気がつくと俺の背後に誠治が立っていた。
「君の連れは、やる気満々だが、君自身はどうかな?」
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