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改めて質問されたが、俺には誠治の考えていることはよくわからなかった。彼はいつも薄笑いを浮かべて、どこかに余裕を残しているように見える。
うーん、心の中が全く読めない野郎だ。理沙とは大違いだな。
「やる気はない」
俺はきっぱりいった。
しょうがない、これが本音だ。
「けど、拒否権はねえんだろ?」
「わかって貰えているようで、嬉しいよ」
「職業だって【無職】なんだぜ。何の特技も持たないで、生き残れるのか。それすら、怪しいもんだ」
「そればかりは、君自身に問いかけて貰うしかないな。迷宮に一歩足を踏み入れれば、頼れるのは、自分自身と仲間だけだ」
「仲間ね……」
水着みたいな鎧を着た俺の仲間。
理沙は竜の銅像に興味津々だ。口の中に恐る恐る手を差し入れたりしてる。
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