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こんな圧倒的な敗北感。
赤の他人に感じたのは初めてかもしれない。
野郎……。
『ふん、今の怒り覚えておくことじゃノ』
俺の怒りの感情を読み取れる九尾は、それを感じてにっこりと微笑んでいる。
『自分と仲間を守ることとは、まこと難儀なことよ……。次は遅れを取らぬ様にノ』
次?
次ってなんだ?
まるで、俺たちを久遠が見逃す様な口ぶりだけど……。
「ゴーレム!」
その久遠が、一つ大きな声をあげると、ゴーレムがひざまずき右手を地面につけ、久遠の前に差し出していた。
久遠は素早く一歩を踏み出すと、飛ぶ様に幾つかの足場を経由して、ゴーレムの右肩に駆け上がった。
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