第0章 彼女

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夜の10時ごろ。 バイトが終わって、家に帰る。 鍵のかかっていないドアを開けて、中に入る。 「ただいま。」 返事はない。 誰もいないわけじゃない。 いる、けど返事がないだけ。 靴を脱いで廊下にあがり奥へと進む。 リビングのソファーで寝転がってテレビを見ている彼女が見える。 同棲しているわけではないが、ここの鍵はわたしてあるのでいつでもこれる状態。 半同棲状態ではある。 かばんをおき、特に話すわけでもなく風呂場へ向かう。 最近はいつもこんな感じだ。 いや、はじめからか…。 彼女はたまに本当に好きなのかと疑ってしまうほど冷めている気がする。 もっともそれは… 俺も同じだけど。 熱いお湯をかぶりながら考える。 彼女とのことを。 バイトするわけでもなく、毎日ぼーっとすごす彼女。 付き合った当初こそはデートなりしていたが最近はそれもなく… 付き合ってる意味あるのか?
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