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―――――――――――――…
「高野さん、わざわざ遠くまでありがとうございます。」
高「いえ…先生もいつも原稿頑張ってもらってますから…新連載、良いものにしましょう。」
「はい!」
高「………。」
長かった出張もこれが最後の仕事、今日には帰れるだろう。
担当作家の新連載が始まるので、電話でなく直接会って話し合う…その方がより良い作品を作れるはずだ。
高「(結局、一週間電話無かったな…)」
まぁ、アイツの性格を考えれば予想通りだが…少しは寂しく思ってくれていたらこの多忙な一週間の俺は報われる。
早く会って安心したい…少し離れると、どうしようも無く不安で、また何処か行ってしまうんじゃ無いか、とか…
高「(情けないよな…)」
でも、それだけアイツが好きなのだ…
帰ったら、適当に言い訳つけて襲おう。
無理矢理?最後はアイツだって流されてるんだから無理矢理では無いだろ?
パワハラ?勿論知ってる。
「それじゃあ高野さん、今回は少しギャグ要素も入れた楽しい話でいいでしょうか?」
高「あぁ、はい…先生の作品では新しい雰囲気なので良いと思いますよ。」
「わかりました!それじゃあ―…」
――――――――――――――…
高「…疲れた…」
仕事も全て終わり、やっと見慣れた地に帰ってきた。
高「もうアイツも帰ってるか…酒でも買って行くか…」
まぁアイツには呑ませすぎない様に注意しなきゃな…
………………………………。
ピンポーン
高「………。」
『はい?』
高「俺だ、出張から帰ってきた。」
良かった、まだ寝て無かったか。
ガチャ
律「あ、たかのさんら…ヒクッ…おかえり、なはい…ヒクッ」
高「………。」
扉の向こうのアイツは…それはもう完全に出来上がっていた。
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