◆First of all◆ 1.

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好きで、好きで――。 いくら、周りに『悪い男』だと言われていても。 それなのに…。それでも…。 「俺としてみない?」 「はぁっ?」 カシャンッ‥、思わずグラスを倒してしまう。 『あーあーあーあー』と、言いながら理紫<サトシ>が側にあったお手拭きでカウンターのテーブルを拭く。 急いで駆け付けた店員が『よろしいですよ』と後始末をしてくれた。 「すみません。こいつ本当に鈍くて」 呆然とする海月<ミツキ>の横でそんな会話が聞こえてくる。 店員が去った後、 「だから単刀直入に言うって言っただろ?」 甘く、いたずらっ子の様に瞳を煌めかせて理紫が言った。 本当に変わらない…。 ドキン、と心臓が跳ね上がる。 私も、変わらない…。 (もう、勘弁して…) 海月は浅い息を整えると、すぅーっと深呼吸をした。
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