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何を…?
海月が首を傾げると、理紫が瞳を覗きこんでくる。
「…俺の自制心なんて、海月に関しては《ほっそい糸》だからね?」
細い糸…?
ますます分からない。
「そんな顔されると、すぐにプツンと切れちゃうんだよ…」
理紫は親指で海月の涙を拭うと、分からない海月に噛み砕く様に説明した。
「…ただでさえ、昨夜と今日の午前中とで海月の身体に負担かけてて、しかもアイツにあんな事されて精神的にも参ってる状態なのに、スルわけにいかないでしょ?」
「どうして…っ?」
海月はそう言う理紫に反論する。
「…大事にしたいんだよ」
「私は大丈夫なのにっ!」
それを聞いて、理紫が首を振った。
「大丈夫じゃないよ。海月、怪我してるでしょ?」
それを分かっていても『ちゃんと最後までして』と海月に言われ、抑える事が出来なかった自分を反省してる…と、理紫は自嘲的に言う。
「…えっ、あっ…」
何を言われているか分かって、海月の顔に血が上った。
「でも…」
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