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ここまで言っても抱き締めてくれないの?
それとも、女の自分の方からこんなことを言って呆れてる?
理紫が何も言わずに、出しっぱなしになっていたシャワーをキュッと止めた。
海月はビクッ…と身体を震わせる。
止まりかけた涙がまた溢れて、視界が霞んできた。
水音が途絶えて、しんとした沈黙が怖い。
「…何か、言って」
海月は痛む喉を抑えて、懸命に声を出す。
すると、理紫が深い息を1つ吐くと、壁に手をついて、雫が滴る髪を鬱陶し気にかきあげた。
「…しない方がキツいって何ンで分からない?」
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