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海月はされるがままに、理紫の胸の中で一頻(ひとしき)り泣くと、
「ごめんなさい」小さな声で呟く様に言った。
それを聞いた理紫は頭上でクスッ…と笑い、とんでもない事を言い出す。
「そう言えば…、身体中が俺でいっぱいになって嬉しかったんだっけ」
「……っ!?」
「俺のモノだって確認させて欲しいんだったよな」
「ちょっ…!バカッ!意地悪っ…んっ!」
海月が理紫の胸を叩き、視線を合わせると、すかさず、ちゅっ…と口唇を啄まれる。
「…海月」
「は、い…」
名前を呼ばれて、見つめる瞳に吸い込まれそうになりながら返事をした海月の頬に、理紫がそっと右手で触れた。
「…海月は自分の事を俺のモノだって言ってくれるけど、俺だって海月のモノなんだよ?」
私のモノ…?
「分かってなかったでしょ?」
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