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笑みを浮かべた理紫に、菜花はわざとらしく身震いをした。
「徳井にそんな事言われると、背筋が寒くなるわ」
「ハッ、違いない」
笑う理紫が部屋へ上がり奥へ行き掛けると、菜花は、ふぅっ…と肩の力を抜く。
そして、何かを決めた様に、
「徳井、あの子の事を大事にするって言うなら、いいこと教えてあげる」と言った。
「いいこと?」
怪訝な顔をした理紫に、菜花が内緒話をする様に声をひそめる。
「…ラプンツェルは《徳井 理紫》を見る為だけに、毎日、図書室のあの席にいたのよ」
「えっ…?」
「もっと言うなら、あの子は入学式の日から徳井の事見てた…」
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